山の田んぼは苦労が多い

2021.6.13

今年は西日本で早い段階から梅雨入りした

そのころ魚沼においては
田植えの時期を迎えており
同じく天気が悪かったので
新潟もこのまま梅雨入りするのか!?

マジか!?

大丈夫なんか(; ・`д・´)

日照量足りないとか
田んぼがいつまでたってもぬかるとか

イネ大丈夫なのか!?



なんてヤキモキしていたわけですが
結果的に田植えが終わってみれば
6月に入って雨が降ったのは
わずか1日ちょっとくらい・・・



田植え直後は天気が悪いので
このままだと根の活着が悪いとか
生育が進まなくておごったい(魚沼弁で困ったとか大変だって意味)

なんて言われていた

そんなわけで
平地の田んぼをやっている農家にとっては
ありがたい天候なのだと思われる




しかし!


山で田んぼを営むというのは
水をいかに確保するかの戦いなのだ!!


なので日照不足も困るけど

雨が降らないのも困る!


私もそんなことを
集落のおっちゃんたちから聞いていたが
イマイチぴんと来ないまま
それとなくやっていたのだ


今年は雪も多かったし
田植え直後までは水も豊富にあって
こんな年は大丈夫なんだろうなぁ

と正直に言えば
余裕をぶっこいていた


そしたらこのお天気続きで
水源にしていた小さな沢が
さらに細くなってきて

そのうえ太陽の照り付けと
稲が植わっているてもんだから
蒸散するスピードが格段に上がって

あっという間に
水が足りねぇ!!

ってことになっています(/ω\)



ちなみに私がやっている田んぼは
大きく分けて2か所に分かれる

集落の下の方にある田んぼ群(通称:シモの田んぼ)と
山の中にある田んぼ群(山の田んぼ)


下の田んぼも山の中ではあるが
その名の通り下流にあるので
水は割と豊富にある

よっぽどの日照りの年じゃなければ
水不足に陥るなんてことはなさそうだ



問題は
山の田んぼよ!




山の中には
水がたくさんあるイメージだろうか?


確かに大きな山の中腹くらいなら
山が大量に抱え込んだ水が
常に放出されているので
枯れることない沢があるだろう


しかし私が住んでいる山は
標高がせいぜい400mほど

しかも田んぼがあるのは250mとか
それくらいの高さなので
山が抱えている水の量は限られている


しかもこれまで田んぼをやっていたのが
なにせチュウジさんなので
駆けずり回って水を確保する
なんてことはしてこなかったから
水が入る仕組みがほぼ崩壊していた(´_ゝ`)

ちなみに中越地震の際に
ため池が崩落したり
水の流れが変わったので
うちの田んぼは水を確保するのが難しくなった
とのことだ




そんなわけで
ここ数日は水を確保するのに奔走していた


こちらが私が営んでいる
山の田んぼである

青い線が水の流れで
黄色が今までその水をひっぱっていたホース

見えにくいが紫が水は通っていないが
埋没しているホース

んで赤いのがこのたび新設したホースだ


これまで黄色のホースで引っ張っていた水は
そもそも取水口の水量が少ないので
ちょろちょろしか出ないし
あまりにも天気が続くと枯れる



そこでこの数日は
黄色と紫のホースを掘り出して

こいつらを連結して
もうちょっと先にある
水量の多い沢から水を引っ張ろう!
という作戦を実行したのである




この段階で何してるかわからないでしょう


だってオレ農家になったんだよ?


山に埋まってるホースを掘り出して
また設置するって
平地で農業やってる百姓はやらんよね 笑


いつから土木作業員になったんだ
って感じだ



でもこういうのも嫌いじゃない 笑


今回の作業はあまりにも大変で
泥だらけになったもんで
スマホが壊れそうだったから
写真撮ってないのが悔やまれる



イメージとして
こんなホースを辿って行って


埋没してる箇所を見つけては
根っこが絡まってるのを切って掘り出した



根っこ切るって言っても大変なんだ

特に葦(あし)の根っこ!!


どんだけ密に根張ってんだ(# ゚Д゚)

ってぶちぎれるくらい固い



いやはや植物の力には驚かされます




ちょっと話は戻るけど
そもそも黄色と紫のホースを連結すれば
わざわざ掘り出さなくてもよくない?

と思われた方もいるでしょう



水流の線を雑に描いたのでわからないでしょうが
紫ホースの取水口も水流が細いのです


当然下流に行けば沢が合流して
水流も太くなる

理由はそういうことです


そして熱中症になりながら
何とか設置したホースがこちら!


ここが取水口

沢とは言っても流れがある程度の極小さな沢だ

水を取り込んだホースを道沿いに這わせて

少し高さをつけても
サイフォン効果で水は登っていく


最後の坂を登って

ゴール!


水がしっかり出てる
( ;∀;)


これで今年以降の水は
かなりマシになったはず!


これでもダメなら
田んぼ数枚つぶすしかないぜ





棚田は日本の原風景だから
山の田んぼを維持しよう!

とか言われる昨今ですが
この水管理の大変さは
うちのあたりだけじゃなく
山で農業を営んでいる人たちに
共通の悩みだと思われる



水管理だけじゃなく
機械を乗り入れるのも容易ではない場所もある


平地の田んぼだって広くて大変だろうが
棚田を守っていくというのは
悩みが多く、とても労力がいることなのだ




だが
山で作る米は美味い




ここ数年
地球温暖化により夏の猛暑が深刻なのは
米作りにとっても大きな問題だ


多くの作物にとって
昼夜の寒暖差が甘味を引き出す
とか言われているし
暑すぎると植物も灼ける




その点
山の中は真夏でも朝晩は結構涼しい


昨年なんか
窓開けてタオルケットだけで寝ていたら
寒くて毛布を引っ張り出したくらいだ



それに今回取り上げた水

うちのあたりは水量は少ないが
それでも綺麗な水である


山の田んぼにかけている水は飲めるし
美味しいとさえ感じる

平地の農業用水が汚れている
とは言わないがあまり飲みたくはない



そして綺麗なだけではない


山から湧き出たばかりで
栄養を抱え込んだ力強い水だ


なぜ山の水が栄養豊富なのかは
こちらの本を読むと
なんとなくわかるのでオススメ☆

こんな感じで美味しいお米を届けたい
とおもって日々頑張っております!


夏がどんな気候になるかはわからないが
秋の収穫までお楽しみに♪

おまけ

ホースに開いていた穴は
百均で買ってきた
筋トレ用のゴムバンドで補修 笑

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