神原登山口から祖母山へ

2020.5.21

緊急事態宣言も解除されたわけだが
どうしたって人が多く集まるところには行きづらいし
店とか施設に至ってはそもそもオープンしていないところもあるのだから
遊ぼうと思ったら山とか川とか海とかになる

私の場合はボルダリングを除けば元々人が集まるようなところは出入りしていなかったし
隙を見つけては山に出かけていたわけで

この非常事態にも暇だと思えば山でできる楽しいことをするのみなのである

やたらと前置きが長くなったが
退職に向けて有給休暇を少しずつ消化することになり
昨日はその1日目だったわけだ

天気もよく
月も新月に向かって細くなってきたので

これは星を眺めるのにはちょうど良い!
ってんで前日の夜から出かけたのであった

出発は深夜0時本当は由布岳に向けて車を走らせていたのだが
バイパスの電光掲示板には

「県外への移動はまだ自粛!」
の文字が

そうだよね

いくら山という人がいないところでも
下山後は飯食ったり温泉入ったりするもんね

というか目的は由布院の温泉だったりするのだから
やっぱりそこは自粛するべきなのだ

熊本県警さんよ

電光掲示板が役に立ちましたぜ

一人の人間が県外へ出かけるのを回避できたんだぜ

よかったな

くそっ!

だがそれは仕方ない

急遽行き先を変更することにし
今回の目的は星空を見るのと日の出を山頂で拝むことなので

過去にそのような素晴らしい空を堪能したことのある
祖母山に行き先を設定

あまり山道を走りたくもなかったので
アクセス良好な神原登山口に向かう

神原ルートは北から山頂を目指すルート

以前山友達と登った時は2時間半くらいで登頂したはず

山頂に着く頃には日の出まであとちょっと!
という絶妙なタイミングであるはずだ

深夜なので道路はスッカスカであり
問題なく到着したのだが
読みが甘くて想定より20分くらい到着が遅れた

何せ絶妙なタイミングでの登頂を狙っているので
20分の遅れはやばいかもしれない

とは言え焦ったって仕方ないので
準備して出発

神原登山口の駐車場からは星がきれいに見えるので
急いではいるのだが少々堪能

本当にきれいな星空であった

性能の良いカメラを持っていないのでお見せできないのが残念だ

ちなみにそんなカメラを買う気もないのだが

スタートして間も無くはトレッキングコースにも指定されているくらいなので
道が整備されていて傾斜も緩い楽々な道なのだ

真っ暗だし木の枝が星空を遮っているので
何を楽しむこともなく淡々と歩く

何を楽しむこともないとは書いたが

夜の登山は視覚が限定的になるためなのか
聴覚が研ぎ澄まされる感覚がある

日中の登山よりも鳥や虫の鳴き声、獣が動く気配、沢の音なんかをより楽しむことができる気がする

夜中に山道歩くなんて怖くないんですか?

と聞かれることがあるが
怖いこともある

急に現れる人工物がなぜか怖い

特に避難小屋とか無人の山小屋は怖い

今回のルートにも途中で無人の山小屋があるのだ

いい感じに体も温まってきてアドレナリンが出てきたぞ!

うん?

なんかバイブレーションような規則的な音がするな

なんだろう?俺の携帯じゃないし・・・

動物の声でもなさそうだ

まぁいいか
先に進もう

《五合目小屋が現れた》

いやーーーー!!

全力で通り過ぎる俺

こんなことがあったのでした

そうかあのバイブレーション的な音は小屋関連のポンプか何かかな

それにしても急に現れるんじゃねぇよ!

心臓バクバクだわ!

下山時に見たら綺麗な小屋だし
そんな恐れることないんだけど不思議と怖い

そのあとは聞いたことがない音がずっとしていたのがちょっと怖かった

鳥の鳴き声のような鹿のいびきのような
あるいはブランコが惰性で動いている時のキィーキィー鳴る音のような
そんななんだか分からない音が鳴りはじめた

動物の声であれば通り過ぎればすぐに聞こえなくなるものだが
この謎の音は強弱をつけながらもずっとついてくる

ついてくると表現するとより怖さが増すが本当にそんな感じだったんです

はじめは何?怖い
と思っていたのですが怖い怖いと思うから怖いのだと自分に言い聞かせて
これはきっと祖母山の寝息なのだ!あるいは精霊かもしれない

などとファンタジーなことを妄想する

イメージとしてはニンテンドー64のゼルダの伝説でリンクの周りを飛んでいる光だ

あれも確か妖精とかそんなだったよね?

そんなわけで俺を守護してくれている精霊だということにしたら
不思議とその音に癒され始めた 笑

夜の山ってのは不思議なことが起こるものだ

さて山頂に着いたが想定していたより1時間も早い

なんでやねん!

ということは日の出まで1時間近く待たなければいけない

5月になって暖かいというよりも暑い日が続いているが
深夜の標高1756mでは関係ない

半袖シャツにレインジャケットでは当然寒いのだ

そんな時にはウルトラライトジャケット!

さらにツェルトに包まればとても暖かい
とまではいかないがだいぶ違う

備えあれば憂いなし!
というか山に入るならこれくらいは必須

しばらくして東の空が明るくなってきた

東の空は朝だが西を見ればまだ星が煌めく夜

なんとも不思議な空

流石にずっと座っていると筋肉が冷え固まり関節も痛くなってくるので
毎度おなじみのラジオ体操だ

日の出待ちにはラジオ体操が一番良い

ちゃんと全力でやれば体がほぐれるし温まる

運動不足の人なら息が上がるかもしれない

オススメだ

それでもまだ寒かったのでスクワットをしてみた

ただでさえ登山によるダメージがあるのにさらに大腿部を追い込むと下山時に大変なのでこれはオススメしない 笑

そんなことをしているうちに日の出が間も無くだ

キターー(゚∀゚)ーー!!

私は太陽信仰者なので心の中で感謝を告げる

「いつも光と暖かさをありがとうございます。次回は25日に沢登りなので、そのときは思いっきり晴れてください。よろしくお願いします」

ちゃんと次回予告もしておくと晴れる率が高くなると信じているし
実際に晴れるので太陽を信仰している

ちなみにお経を唱えたりはしない
太陽は太陽であって神や人ではないのだから

パンを頬張りコーヒーを啜りつつ山頂での朝を満喫する

寒いので長居はできないが山頂でのコーヒーは必須だ

登山時には光がなくてわからなかったが
葉っぱの緑や花がきれいだ

先日のまとまった雨のせいなのか
九合目小屋の手前くらいまで沢の音が聞こえていた

こんな上の方でも沢があるなんて
なんて素晴らしい山なのだろう

豪快な滝もある

機会があれば沢登りにも来よう

目的の温泉が開くまで時間があったので下山はゆっくり歩いた

温泉はずっと行きたかったけど料金が高いからと敬遠していた南阿蘇の地獄温泉「清風荘」

震災後はしばらくやっていなくてリニューアルオープンしたから建物は全部きれいで近代的

まだ直したり整備したりと工事中

有名なのは混浴『すずめの湯』だけどちょっと値段が高いので
泉質は変わらんだろうということで
男女別の方を利用

硫黄泉だけど思ったより熱い風呂ではなく
匂いもそこまでキツくない

いいお湯でした

そのあとは道の駅で売ってる赤牛ハンバーガー(¥700でかなりでかい)と
ジェラート(イチゴとブルーベリーミルク)を阿蘇山を眺めながら食した

食べた後も子供や犬が走り回ってるのをぼーっと眺めながらゆったり座っていた

幸せなひと時だ

そんな平日だけど休日の過ごし方

いかがでしょうか

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