【九州最難関!?】傾山・祖母山☆周回縦走 1日目
はじめに
九州を代表する山と言えば日本百名山にも選ばれている祖母山もその一つだろう
祖母山の近くには傾山という名前からしてクレイジーな山があるのだが、これを繋げて一周するという縦走ルートがあるのだ
ただしこのルートは山中泊したいからという安易な気持ちでやっていいものではないことがわかったのでここに記しておこうと思う
傾山と祖母山の紹介
傾山
傾山は大分県豊後大野市に位置する標高1,605mの山で日本三百名山に選ばれている
登山口付近はキレイな沢があり沢登りにも気持ち良い
山頂付近は岩肌が露出しており、登山道でも岩に這って進むような箇所があったりする
いくつかルートがあり、南から登る杉ケ越コース、東側から登る冷水コース、そして今回登ったのが北からの三ツ尾コースだ
ルートを選べば初心者から屈強な猛者まで楽しめる表情豊かな山である
ちなみに昔話「吉作落とし」の舞台にもなっている山だ
祖母山
大分・熊本・宮崎の三県にまたがって位置する標高1,756mの山でこちらは日本百名山のひとつ
北から登る神原コース、西から登る北谷コース、東から登る黒金尾根コースなどが代表的なルート
いずれも九州の中では長めで登山道の途中には岩を登るような箇所も複数あり、登りも下りも飽きることがない
山頂からの眺めは抜群で360度楽しめる眺望だ
また、山岳信仰の跡がやたらとあるのでパワースポット的な意味でも楽しめるかもしれない
周回縦走コース概要
これが私が一泊二日で時計回りで一周した総距離37.6kmのルートだ
テント泊をしなくても傾山、祖母山のそれぞれに無人の山小屋があるのでそこで小屋泊するのも良い
利用するのであれば布団や食料、水などは何もないのでその辺はちゃんと持って行こう
エスケープルートとして九折越からの下山、ビバークポイントの先から尾平トンネルへの下山、祖母山から黒金尾根コースか宮原コースを通って尾平登山口への下山がそれぞれ可能だ
スタートから九折登山口
スタート地点には健男社という神社がある(詳しくはWikipediaで👇)
Wikipedia:健男霜凝日子神社より引用
この鳥居のあたりに駐車できるスペースがあるのでそこに車を止めてスタートした
駐車禁止の看板などはなかったが一応戻りの時刻などを書き置きして出発。不安な人は九折登山口に駐車するのがよいかと
九折(つづら)登山口までは当然車も通れる舗装された道が4kmくらい続く。途中郵便屋さんがバイクで私を追い越して行ったが一体どこに何を届けていたのだろうか?
登山口から三ツ尾分岐
九折登山口にはWi-Fi完備の立派な小屋がある。割とキレイなトイレと靴洗い用の蛇口まであるので、早朝出発したい人はここで一泊するのも有り
沢沿いにずっと歩いて行くがいきなりやや舗装されている急な斜面から入る。すでに山深いところなので沢はすごくキレイだ。沢登りのルートもあるので春から夏にかけては沢も堪能できる
1km弱歩くと観音滝が見えて来る。滝壺まで降りることも可能だが疲れるのでやめておいた。ただこの滝は真っ直ぐ綺麗な一条滝。縦走じゃなければ見に行きたい。いっそ滝に打たれたい
さらにもうちょっと歩くと観音滝の上部にて渡渉することになる。やろうと思えば観音滝を上から見下ろすこともできるが多分滑落するので絶対にやめましょう!渡渉も滑りやすいので注意です
三ツ尾コース
渡渉を終えて少し行くと舗装された道に出る。そこにはまた登山届BOXが現れるのでここも登山口らしい。ここまでどうやって車で来るのかは不明。
三ツ尾コースはそこそこの急登が続く。まだ登山開始して間もないが早速息が上がる。途中には巨大なサルノコシカケや宿り木の群生があって面白い
坊主尾根コース
そこを通過したあたりで分岐に出くわす。山頂を目指すには坊主尾根コースに入ろう。その分岐からしばらくすると
そこそこ標高を上げたころにまた分岐が現れる。私が選ぶのはもちろん三ツ坊主方面。もう一方は水場コースと書いてあるルートで、そちらを使うとコースタイムで40分。
ほぼ距離は変わらないのに三ツ坊主を通るとコースタイムが2時間20分になる。どんな恐ろしい坊主が出て来るのか…
三ツ坊主から山頂
もちろん三ツ坊主方面に、とは書きましたがこの時点ですでに心は折れかかっていて水場コースで行って九折越から下山しようか…などと考えていた。
そんなコンディションで迎えた三ツ坊主
まずは氷瀑のような美しい棚が出現。綺麗だな、と呑気に眺めていたがその途中にはピンクテープが…あ、これ登るんですね!
足元は凍っているし、手すりになるようなロープの設置もない。実にスリリングな登りだ。
登り切ると眺めの良いピークに到着。写真では伝わりづらいかと思うがなかなかの高度化。ぜひ動画をご覧頂きたい。強風が吹いていたら絶対に行ってはいけない場所であろう。ここが例の坊主なのか
そんな坊主から進もうと周りを見渡しても道はなく、やっと見つけたのがこの梯子。雪は風でぶっ飛ばされているのだろうがそれにしてもこの高度感。そしてシューズには雪が付いていてまぁ滑る。よくカメラ片手に降りたものだ
こういう時に遭難時は安易に崖を登っちゃいけないなと思う。そしてまだまだ続く登り
私が地面に倒れているのではなく、地面が起き上がっているのだ。このルートの大半は足のみならず腕の力も必要とする。クライミングやっていて良かった。
本日のハイライト的な道をなんとか突破し、たどり着いた山頂
山頂標識がハゲとるやないかい!!
実際はそんなツッコミできるほど余力はなく、ようやく終わった!という安堵感に包まれていた。おわらないけど
九折越からテン場
山頂から九折越まではこれと言った難所もなく、山小屋に到着
この時点で確か17時を回ろうとしていたが、明日の山行を少しでも短くしたいという一心で小屋は覗くだけにした。ちゃんとした登山客であればこれは致命的なミス。いくら九州で標高2,000mに満たないこの山でも雪山は雪山。夜間の山行は極めて危険だ。ここからは怖い話
この先はそんなに人が通る道ではないようで足跡はなく、頼れるのはピンクテープとスマホの地図のみ。充電も減ってきておりやや不安。熊がいないのがせめてもの救いか
疲労も溜まっており山小屋で泊まれば良かったなと後悔しつつ、遭難したら…みたいなことを考えつつ、それでも進むしかない
登山道にはウサギ等の獣の足跡が着いていたり、満月が後ろから光を差してくれたりとなかなか味のある夜道だ
尾平越までは2つのピークを越えて行く。大したことない高さでも積雪とこの疲労ではけっこうキツい。ようやくたどり着いた第一ピークは眺望もなさそうな残念なピーク。夜だからどうせなにも見えないんだけどさ
2つ目のピークにもようやく到着。この時点で20時前。まさかこんな時間がかかるとは…
ここからは一度通ったことがあるしここからはのんびりした下りだけだ、と気を抜いたのもの束の間。若干方角がズレて急傾斜が現れた。なぜかそこを下ってしまうわたし。ここでも疲労からくる判断ミスなのか。
斜面には雪が積もっているし、その下の岩が厚い氷で覆われていたりして危うく真っ逆さまだった。ここでようやくおかしいなと思い道を修正。なんとか本来の登山道に戻ることができた。沢やってなかったら泣いてたな。
尾平越の手前で開けた場所があったので、登山道の途中ではあるがそこでビバーク。本当にビバーク(緊急避難的な野宿)だ。すでに写真を撮る元気もなかったのですぐにお休み。
2日目に続く
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